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最善の治療法をご提示いたします

皮膚科イメージ

当院は、地域の皆様の皮膚科“かかりつけ医”でありたいと考えておりますので、皮膚についてお困りのことがありましたら、どんな些細なことでも、お気軽に相談にいらしてください。老若男女に関わらず、一人一人その瞬間における最善の治療法をご提示いたします。

皮膚には全身の状態が映し出される

昔からよく「皮膚は内臓を映す鏡」と言われますが、皮膚は内臓を包み込んでいる大きな袋のようなものですから、内臓・諸器官の発するサインがよく表れます。内臓をはじめとする体内の状態や血行の調子、ホルモンバランス、ストレスの有無などが複雑に絡み合い、皮膚症状として出現してくることが少なくないのです。小さな皮膚病変を検査しているうちに、思わぬ内科的疾患が見つかるケースもありますので、皮膚の異常が見つかりましたら、早めに受診してください。

受診される方に多く見られる皮膚症状・疾患

皮膚のことなら何でもご相談ください

上記のような皮膚症状・疾患以外にも、日頃のスキンケアの悩みや乾燥、肌荒れなど、皮膚のことで少しでも気になることが出てきましたら、何でも遠慮無くご相談ください。皮膚科専門医として、一人一人に合ったスキンケア法をアドバイスいたします。

皮膚疾患の予防・治療

皮膚疾患の原因には、様々なものが挙げられますが、特に日常生活の過ごし方が大きな影響を与えています。脂っこいものや甘いものを食べ過ぎたり、睡眠不足やストレスフルな生活を送ったりしていると、皮膚トラブルを招きやすくなります。バランスのとれた食生活をし、夜更かしを避けて十分な睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。ストレスを溜め込まないように、気分転換を図ることも大切です。また、紫外線を過剰に浴び過ぎることも皮膚ダメージにつながりますから、日傘や帽子をうまく利用して日焼け対策を講じることも肝心です。こうした一見あたり前のような健康的な生活を送ることが、皮膚疾患の予防、および治療に、とても良い影響を与えるのです。

当院の皮膚科で診療する主な症状・疾患

湿疹

皮膚科を受診される患者さんにたいへん多く見られる症状の一つに湿疹があります。ブツブツや小さな水ぶくれ、赤みなどが混ざって現れ、痒みも伴いがちです。原因として考えられるものには、自己免疫(自分自身に対する免疫反応)や食べ物アレルギー、ダニ、ハウスダスト、薬疹、ウイルスなどがあります。湿疹について一般に言えるのは、皮膚の「バリア機能」が外部からの刺激に負け、その結果として炎症を引き起こしている状態だということです。湿疹は痒みを伴うことが多いため、ついつい掻いてしまいがちなものです。しかし、掻いて治ることは無く、むしろ掻くことによって患部を掻き壊してしまい、化膿や悪化を招き、患部が拡大してさらに痒くなる、という悪循環に陥ることが少なくありません。まずは痒みや炎症を抑える薬を上手に使い、こうした悪循環を断ち切る必要があります。また、湿疹は慢性化すると治りにくくなりますので、症状がしばらく続くようなら、早めに皮膚科を受診しましょう。

かぶれ(接触皮膚炎)

皮膚に直接触れたものが原因となって起こる炎症や湿疹をかぶれ(接触皮膚炎)と言います。原因が明らかな場合は通常、「うるしかぶれ」「オムツかぶれ」など、原因となったものの名前を頭につけて称されます。原因が明確でない場合は、「パッチテスト」を行います。パッチテストとは、原因と思われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見る検査です。原因物質がわかったら、まずは、その物質が含まれるものに接しないように注意します。短期的にステロイド外用薬を使用し、痒みが強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を用いて治療します。なお、接触皮膚炎には、アレルギー性のものもあります。この場合は、原因物質(アレルゲン)に繰り返し触れることで湿疹が現れます。「アトピー性皮膚炎」と間違えやすいのですが、複合的な要素が絡んで原因が複雑なアトピーとは違い、原因を特定し、その刺激を除きさえすれば、比較的容易に治すことができます。

虫刺され

虫刺されでは、虫に刺された直後から翌日以降に、その部分が赤く腫れたり、水ぶくれになったり、しこりになったりします。特に小さいお子さんは、腫れやすいものです。痒いからといって患部を掻き壊すと、とびひ(伝染性膿痂疹)や治りにくい痒疹(痒みのある硬くなった皮膚)となり、長期化することがありますので、毒性の強い虫に刺された場合や、腫れや痛み、ほてり、水ぶくれなどの症状がある場合は、皮膚科への受診をお勧めします。皮膚科の治療では、ステロイド軟膏を短期間外用します。腫れや痒みが強い場合は、抗アレルギー薬を服用します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹を特徴とする皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚症状が、年齢によって変化するのも特徴的です。アトピー性皮膚炎の原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な体質に環境要因が影響して発症すると考えられています。多くの患者さんは、皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)を併せもっています。アトピー性皮膚炎の治療において中心となるのは、薬物療法です。アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドの塗り薬とステロイド以外の免疫抑制薬の塗り薬(免疫抑制外用薬)があります。ステロイドの塗り薬は、炎症を強く抑える作用を有し、免疫抑制外用薬は過剰な免疫反応を抑えます。これらの薬剤を適切に使うことで症状を早く改善し、良い状態を維持することが可能になります。ほかに、痒みを抑えるために抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に用いたり、他の治療でなかなか良くならない重症の成人患者さんでは、ステロイド薬の飲み薬やシクロスポリン(免疫抑制薬)の飲み薬を服用したりすることがあります。また、紫外線照射も有効なことがあり、UVAやUVBを照射する機械を用いて治療をします。最近は、なかでも311nmをピークとするナローバンドUVB療法が治療時間も短時間であり、しばしば用いられます。

乾燥肌

皮脂および汗の分泌が減少して、皮膚が異常に乾燥している状態を乾燥肌(乾皮症)と言います。症状としては痒みが強く、特にお年寄りの下腿・大腿・わき腹に顕著に認められます。湿度が低下する冬季に多く見られる傾向があります。原因としては、皮脂の欠乏によって皮膚のバリア機能に障害が起こり、皮膚表面からの水分の喪失が多くなるため、皮膚が過敏になって、痒みが生じます。住環境や入浴時間・湿度、石けん類の使用などのライフスタイルも関係してきます。乾燥肌の治療としては、皮膚の乾燥が基本にあるため、まずは皮膚のバリア機能を回復させるためのスキンケアが重要です。入浴後は、皮膚がまだ乾かないうちに、保湿剤を万遍無く、十分に塗ると良いでしょう。皮膚炎を起こしている部分には、弱いステロイドの塗り薬を併用すると、より効果的です。痒みのせいで寝つけないような場合は、痒み止めとして抗ヒスタミン薬を処方したりします。

皮膚掻痒症

皮膚を見ても何もできていないのに、痒みが生じる疾患です。全身のいたるところが痒くなるケースと、陰部などの限られた部分だけが痒くなるケースがあります。しかし、痒みが起こるメカニズムは、十分には解明されていません。肌の乾燥のためにちょっとした刺激で痒くなることもありますが、それだけでなく、腎臓、肝臓・胆道、糖尿病やホルモン異常、血液疾患、悪性腫瘍、さらには内服薬なども原因になっていることがあります。これらによる痒みの起こり方は、じんましんや湿疹の時にみられる痒みとは同様ではないと言われます。発作的に「体の中から痒みが湧いてくる感じ」などと表現する方もおられます。原因となっている病気がある場合には、その治療が必要です。また肌が乾燥していることが多いので、保湿薬をしっかり塗ることが大切です。抗ヒスタミン薬もある程度の効果が期待できます。

ニキビ

ニキビは医学用語で尋常性ざ瘡といい、思春期ごろに発症する、皮膚の慢性炎症性疾患です。皮脂(皮膚の脂)の過剰な分泌と毛穴の詰まりが原因で起こります。
皮脂は、ホルモンやストレスなどの影響で過剰に分泌されると毛穴(脂腺性毛包)に溜まり、それが、面皰(めんぽう)という状態になります。この面皰内の皮脂を栄養源にして、アクネ桿菌が増殖し、この数が増えていくとやがて面皰が炎症を起こし、赤い丘疹となり、その炎症が進むと膿が溜まる膿疱になります。
嚢腫(嚢腫性ざ瘡)になったりもします。炎症が強いと完治しても痕が残りやすくなるので注意が必要です。なお炎症の度合は菌の増殖具合によりそれぞれ異なりますので、丘疹と膿疱が入り混じった状態になることもしばしばです。

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とびひ

とびひは、皮膚への細菌感染によって発症する疾患です。特にアトピー性皮膚炎の患者さんは、皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひにかかりやすいので、要注意です。掻きむしった手を介して、水ぶくれがあっという間に全身へと広がる様子が、火事の火の粉が飛び火する様に似ているため、「とびひ」と呼ばれます(正式には伝染性膿痂疹)。とびひの治療には、主に抗菌薬を使って原因菌を退治します。また、必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、亜鉛華軟膏なども用い、痒みや炎症を抑えます。

水虫

地球上にはカビ(真菌)がたくさん存在しており、私たち人間と共存しています。納豆菌や乳酸菌といった生活に役立つものばかりでなく、人間に病気を起こすカビもいます。水虫菌もその一つで、正式には白癬菌(はくせんきん)と呼ばれます。この白癬菌が棲み着いて増殖を始めた頃、私たちの体はこの菌を追い出そうと、激しい炎症を起こして抵抗します。この炎症が痒みのもとになります。これが急性期の水虫の症状です。しかし、しばらく経つと、白癬菌に対する炎症を起こさなくなり、共存状態となります(慢性化)。急性期の水虫の方が治療に対する反応は良いので、水虫は「痒い時が治し時」と言えます。水虫の治療には一般に抗真菌薬が使われます。抗真菌薬には塗り薬と飲み薬があり、爪白癬のような爪の中に薬の成分が届きにくいタイプには内服薬が有効ですが、爪の組織に浸透しやすい新しい爪専用の塗り薬もあります。

じんましん

痒みの強い、丸っぽい形をし、わずかに盛り上がったみみず腫れが数分~24時間以内にできて消えていく皮膚疾患をじんましんと言います。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みを伴うこともあります。4週間以内に治るタイプを急性じんましん、それ以上の期間にわたって断続的に発症するタイプを慢性じんましんと呼びます。じんましんの原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々で、検査としては皮内反応や血液検査IgE RAST法、一般血液検査などを行います。しかし、慢性じんましんでは、原因が特定できないことが少なくありません。じんましんの治療には、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを使います。薬を内服すれば、多くの人は数日で症状が治まりますが、医師の指示に従って飲み続け、徐々に薬を減らしていくことが大切です。

うおのめ・たこ

うおのめやたこは、足の特定の場所に継続的に圧力がかかって発症します。たこは皮膚の表面の角質が部分的に厚くなったもので、痛みはありません。うおのめは厚くなった部分にさらに圧がかかって硬くなり、芯をもっているため、歩く度に刺激されて痛みが走ります。また、足の裏によくできるのが足底疣贅(そくていゆうぜい)といういぼの一種で、これをうおのめと勘違いすることがあります。しかし、これはいぼウイルスによる感染症であり、知らずに削って、かえって患部を広げてしまうことがありますので、この鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科への受診をお勧めします。うおのめ・たこの治療では、スピール膏やメス、ハサミなどを用いて患部を除去します。

しもやけ

しもやけ(凍瘡)は、冷たい外気に曝された後、血行の悪くなりやすい場所、すなわち手足の指先、耳たぶ、ほお、鼻などに生じます。皮膚が赤く腫れ上がり、ひどい時には水ぶくれを起こすこともあります。痒みを伴い、入浴などによって痒みが強くなるのも特徴です。子どもに多い疾患ですが、女性では大人になっても繰り返す人が見受けられます。原因は、冷たい空気に曝されることですが、同じように寒気に当たっても、しもやけを起こす人と起こさない人がいます。しもやけの治療には、ビタミンEの塗り薬が使われます。症状が強い場合や、広範囲にわたる場合、冬になる度にしもやけを繰り返す人の場合などには、ビタミンEの飲み薬も有効です。しかし、なんと言っても大切なのが予防です。しもやけになりやすい人は、冬に外出する際には、手袋、マスク、耳当て、帽子などの防寒具でしっかりと冷気を回避するようにしましょう。

乾癬

銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の粉)を伴い、境界の明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。乾癬の患者さんの多くが、この症状を呈します(尋常性乾癬)。大きさ・数・形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。できやすい部位は、慢性かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などです。青壮年期の発症が多く、多発しますが、通常は内臓を侵すことはありません。痒みは約半数の患者さんに見られます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。稀ながら、発疹が全身に及ぶこともあります。乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、一律的な治療法は無く、患者さんの病気の程度、置かれた状況などに応じた治療法を選択することになります。

治療は、症状によって異なりますが、外用剤(ステロイド、ビタミンD3)による治療、光線療法(紫外線)、内服薬、生物学的製剤などがあります。外用剤では、炎症を抑え、症状を和らげる効果があるステロイドと、乾癬の症状が出ている皮膚の過剰な増殖を抑えるのに有効なビタミンD3剤を使用します。患者さんによっては、日光浴や紫外線の照射が有効なケースもありますので、光線(紫外線)療法も行います。症状が重症なときは、免疫を抑制する内服薬シクロスポリンなどの免疫抑制剤のほか、生物学的製剤を使用する方法もあります。生物学的製剤は、皮下注射や点滴で投与される生物が作り出すタンパク質をもとに作られた薬です。高額な治療にはなりますが、外用薬などでは効き目がみられなかった患者さんに効果があります。生物学的製剤の使用は施設が限られておりますので、使用をご希望の方は大学病院などにご紹介いたします。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスの典型的な症状は、唇のまわりに赤い水ぶくれができて痒みや痛みが伴うことで、疲労やストレスで体が弱っている時によく発症します。この疾患の病原体はヘルペスウイルスです。ヘルペスウイルスは、一度感染すると、神経細胞の中に隠れ潜んでしまいます(潜伏感染)。潜伏したヘルペスウイルスは、現在のところ退治することはできません。そして体の抵抗力が衰えている時などに、急に暴れ始めるのです。口唇ヘルペスの治療としては、主に抗ヘルペスウイルス薬を用います。飲み薬と塗り薬があり、場所や症状の程度などによってそれぞれ使い分けます。発疹の出る前にチクチクするなどの予兆が出ることも多く、その時点で治療を始めると治りが早くなります。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症し、水痘を経験した人に起こります。頭部から下肢までの片側に、痛みを伴った小水泡が帯状に生じます。顔にできると、顔面神経麻痺やめまい・耳鳴りなどが起きることがあります。痛みに悩まされることが少なくなく、長い間痛みが残ってしまうこともあります(帯状疱疹後疼痛)。この痛みは治りにくく、それが大きな問題です。帯状疱疹は、早く皮膚科を受診して早期に治すことが何よりも大切で、これにより帯状疱疹後疼痛の発症頻度を少なくすることが可能です。

円形脱毛症

自覚症状などが何も無く、ある日突然、頭にコイン大の丸い脱毛斑が生じる疾患です。脱毛斑は一ヶ所とは限らず、多発することもあります。時には頭全体の毛が抜けたり、全身の毛が抜けたりすることもあります。かつては、精神的ストレスが主な原因と考えられていました。確かに何らかのストレスがかかった時に脱毛が始まる人もおられます。しかし、多くはストレスと関係無く発症します。円形脱毛症の頻度は人口の1~2%と推測され、男女差は見られません。脱毛斑の少ない場合は、ほとんどが自然に治ります。しかし、広い範囲で抜けているケースほど脱毛は長引き、数年以上にわたって続くこともあります。ただし、たとえ何年も脱毛が続いても、毛包の大元の細胞(幹細胞)は残っていますので、治療がうまく効を奏すれば、毛髪は戻ってきますし、時には自然の経過で生えてくることもあります。治療法は、病気が始まってからの期間と脱毛面積などに応じて決められます。ステロイドなどの外用療法やグリチルリチンなどの内服療法、ステロイドの外用療法や局所注射、脱毛部をドライアイスで冷却する方法、ステロイドの内服療法などが知られています。

いぼ

いぼは、ヒトパピローマウイルスの感染によって発症します。(感染経路はよくわかっていません)いじるとどんどん増える傾向があります。人から人にも、うつります。いぼができたからと言って、自分で引っ掻いて治そうとすると、かえってウイルスを撒き散らしてしまう可能性がありますので、いぼを見つけた際は、数が少ないうちに皮膚科で相談しましょう。また、稀ながら悪性のものもあるので、それらとの見分けをつけるためにも、専門医への受診をお勧めします。いぼを外科的に除去する方法には、レーザー療法と液体窒素療法などがあります。

皮膚腫瘍について

皮膚に生じたできもののことを皮膚腫瘍と言います。腫瘍とは組織の一部が病的に変化し、増殖したものです。腫瘍は、大きくは良性と悪性に分けられ、良性腫瘍は一般に増殖が緩やかで生命をおびやかすようなことはありません。一方の悪性腫瘍(がん)は近くの組織に進入したり、遠隔転移したりして増え続けていき、生命にも影響してきます。当院では、主に下記のような皮膚腫瘍の診断と治療を行います。必要があれば適切な医療機関をご紹介いたしますので、安心してご受診ください。

ほくろ

ほくろは、正式には色素性母斑と言い、色素を産生する細胞であるメラノサイトが変化した母斑細胞という細胞の腫瘍です。ほくろは皮膚悪性腫瘍、特に悪性黒色腫との鑑別が大切です。悪性黒色腫は転移しやすく、進行の速いことが多いため、怖れられています。短期間で急に大きくなったり、色が濃くなったり、色素がまわりの皮膚に染み出してきたり、出血してきたような場合は、注意が必要です。少しでもおかしいと思われるほくろが生じた場合は、自己判断せずに、とにかく皮膚科専門医を受診しましょう。

粉瘤

粉瘤(ふんりゅう)はアテロームとも言い、皮膚の皮が毛穴の奥で袋を作ってしまい、中に老廃物や皮脂が溜まった半球状の腫瘍で、中央部には黒点状の開口部があります。強く圧迫すると、開口部から臭くてドロドロした内容物が排泄されるケースがあります。耳のまわり、耳たぶ、鼠径部(そけいぶ)、背中などによくできますが、毛穴がある場所なら、どこに生じてもおかしくありません。いつの間にかできて、自然に小さくなることもありますが、少しずつ大きくなって目立ってくるケースもあります。また、ある時、突然赤くなって腫れ、痛みが出て粉瘤のまわりに急に化膿や炎症を起こすケースもあります。炎症を起こして、はじめて粉瘤に気づいたりもします。粉瘤が化膿を伴っている場合は、まず化膿の治療を行います。抗生剤の内服を行い、膿が溜まっている時は、局所麻酔をして切開の上、膿を出します。内服薬で症状が治まってくれば、そのまま小さくなるまで様子を見ます。切開排膿後は、中から膿が出なくなるまで、局所の消毒洗浄を続けます。化膿していない時、または化膿が治まったら、局所麻酔下に粉瘤を袋ごと取り出す手術を行います。手術後は、翌日に傷の具合を確認し、1~2週間後に抜糸します。

脂肪腫

脂肪腫とはその名の通り、脂肪の一部が腫瘍のように増殖したものを言います。皮膚の下に軟らかい固まりとして触れることができます。大きさは、いろいろです。この脂肪腫は5cm前後のことが多いのですが、中には10~20cmのものも見られます。治療は摘出することになりますが、小さければ局所麻酔下での手術が可能です。

アクロコルドン

アクロコルドンは、主に首などの皮膚の軟らかい場所にできる、2~3mm程度の良性腫瘍で、徐々に増えるのが特徴です。通常はドーム状、または茎をもった形状で隆起して、色は肌色から濃い褐色まで様々です。美容的に気になるようであれば、治療を行います。液体窒素を用いて凍結させたり、局所麻酔を施してメスやハサミで切除したり、炭酸ガスレーザーで焼き切ったりします。

石灰化上皮種

病名にもあるように、皮膚のすぐ内側にカルシウムが沈着して、石灰のように硬くなる良性腫瘍です。ほとんどは無症状ですが、時に痒みや押した際の痛みを伴ったりすることもあります。治療は切除で、多くは、局所麻酔による日帰り手術が可能です。摘出した組織は、病理検査をして確定診断をつけます。


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